精神科リハビリテーション 復職支援(リワーク)のご案内
はじめに
当院の復職支援プログラム(リワーク)は2020年1月より開始し、患者様一人ひとりの病状や特性に合わせ丁寧に対応しながら、職場復帰や再休職のお手伝いをしています。再発・再休職を防ぐためには、生活リズムの安定と体力や集中力・思考力の回復だけでなく、休職しなければならなくなった自身の課題を、“自分で”克服するスキルを身につけることが重要です。
さらに、復職のため心身ともに準備し、復帰までの道のりをスムーズにたどるためには、自宅療養と職場復帰の間に何らかのリハビリが必要です。健康な人でも、連休明けの出勤がおっくうに感じたり、日中の眠気をいつもより強く感じたことはあるのではないでしょうか。しばらく休職すると、決められた時間に決められた場所へ継続的に通うこと自体に困難を感じるようになります。業務を行うこと以前に、“社会的な枠に自分を合わせること”に適応していかなければなりません。職場の1歩前の“枠”として、当院のリワークプログラムを利用してみませんか。
“このまま休養だけで本当に復帰できるのだろうか”、“休職を繰り返しており今回もまたうまくいかないのでは…”など、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
当院の復職支援(リワーク)の特徴
気分障害(うつ病・双極性障害)等で休職中の方を対象に、復職と再休職予防を目的として復職準備を支援する為のプログラムです。少人数のグループ体制により、一人ひとりの病状や特性に合わせた丁寧な支援を行っています。
生活リズムの安定化
1日の生活に関する記録を記入する「活動記録表」を活用し、復帰へ向けた生活リズムの改善を行っていきます。
体力の回復
スポーツ系のプログラムを取り入れ、就労に必要な体力の回復を図ります。
認知機能の回復
集中力や記憶力の回復だけでなく、個人作業・集団作業による遂行機能の回復も狙った課題に取り組みます。
コミュニケーションスキルの向上
自他を尊重しながら意思表示を行うアサーショントレーニングを中心に、職場や日常生活上で必要なコミュニケーションスキルの訓練を行います。
また、当院では社会生活スキルトレーニング( Social Skills Training = SST )を、VRで学ぶ事が出来る専用機器SST-VR 「FACEDUO・フェイスデュオ©」 を新たに導入しました。日常場面から就労上の困りごとまで、リアルな映像教材を用いてトレーニングを行っています。
【VRでSSTを行うメリット】
- 就労場面を切り取った豊富なコンテンツからリアルに学べる
- 自分の過去の困りごとを思い出しながら、実際の場面で使える対処法の練習ができる
- 未経験の場面でも、その場所に行かなくともリアルに練習できる
- 療養中のストレスの少ない日々では気づかなかった現状の課題を発見できる
セルフコントロール力の強化
復職支援(リワーク)プログラム全体を通して、ストレスとうまく付き合いながら就労を継続できる自分をつかんでいきます。
対象者
【復職支援(リワーク)の対象者】
- うつ状態による休職中で復職を目指している方(退職した方も応相談)
- 病気の回復期(病状が安定している時期)にあり、自力で通える方
- 職場からプログラム利用の理解を得られる方
実施日時と期間
月・水・金 9:30~15:30
※参加者の状態や時期に応じて、火・木・その他休日の過ごし方も指導していきます 1クール4か月(応相談)
復職支援(リワーク)のメリット
【主なメリット】
- 本格的なカウンセリングやセミナーと同等の内容を受けられる
- 同じ状況にいる人と話して不安が解消される
- 家庭や職場以外のコミュニティを作ることができる
- 自分の考えや感情を知りストレスに対処することができる
- 適切な難易度のプログラムに対し、参加メンバーと協力しながら結果を出すことで達成感を得ることができる
- 立場が違う人と同じ環境で過ごすことで気づきを得ることができる
- 様々なプログラムで得た知識を、実践しながら身に付けていくことが出来る
ご利用までの流れや料金、プログラムの紹介など、詳細を載せたパンフレットもございます。リワークプログラムのご利用を検討されている方は、主治医もしくは下記デイケアスタッフまでお問合せください。
お問い合わせ先
行橋厚生病院 リハビリテーションセンター
0930-23-1230(病院代表)
090-4983-6105(デイケア直通)
リワークプログラム担当:北川、片野坂